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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
「結婚してないの?あれから3年でしょ?」

「……まだな……色々あって…」

「そう……」

バッグから、ポーチを出して、ファンデを探していた
後ろから龍崎が優しく抱擁する

「……ごめんな」

「もし…カラダだけで、婚約者の方と別れる気がないんだとしたら、私、やっぱり辛いから。もう、こういうの…やめよ」

「……」

(ダンマリか…ズルいよ…)

吹っ切ったようにメイク治しを続けた

「そこの棚、終わったら、今日は帰ります」

「あっ……あぁ。……ごめんな。」

「……」

龍崎もやりかけの棚に戻り、仕事を始めた

沈黙の中、お互い何かを言いたそうな雰囲気で
仕事に没頭していると、スマホが静かに着信を知らせていた

『さゆり~?今どこ?』

ケイスケからだった

『お疲れ様…今…書庫で』

『OK!すぐいく』

話し終わる前にケイスケが話していて、待って。という前に電話が切れていた

(もう…)

丁度、棚が終わり帰り支度をしていると、ドアをノックする音が響いた

龍崎が一瞬、私の顔をみてから
どうぞ。と言った

ケイスケが入ってきて、ケイスケもまた、一瞬
私の顔をみていた

「龍崎さんも、こちらにいらしたんですね。良かった。例の案件、いけそうです。明日、中谷さんと打ち合わせしますね」

「お~。そうか。良かった。また、具体化したものを見せてくれ」

「はい。わかりました。中谷さん、これなんだけどね」

「あっ。はい。」

ケイスケが淡々と説明をし、私の意見待ちといった様子に、また、私も淡々と具体的内容を話していた

(龍崎…の視線が痛い。なんでだろう…)

「さすが中谷さん。それは、思いつかなかったよ」

ケイスケの言葉で、視線が一瞬、途切れた。

「明日、もっと綿密に埋めていきましょう。金子くん、まだ、仕事していくの?」

「いや。今日は、帰ろうかと…龍崎さんは?」

「俺は、もう少しやってくよ。二人は、帰って良いよ。お疲れ様」

「すみません。お先に失礼します」

ケイスケと書庫をでた

エレベーターに乗ると、ケイスケが何かを言いかけ、やめた

「なに?(笑)」

「なんでもない」

「なんか、途中で話やめられるの嫌だな~」

「いや…なんでもない」

「ふ~ん。」

「聞いてどうすんだ。ってオチの話」

「なに?(笑)余計、気になるわ(笑)」

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