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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
一通りの買い物をしてレジに行こうとすると、ケイスケが、カートを方向転換した

「俺もビール買ってくわ」

「あっ。じゃぁ。私も」

ビールをカゴに入れて、再びレジへ向かう

「すげ~買ったな(笑)」

「車に甘えすぎた(笑)」

「いつもどうしてんの?」

「ひたすら、チャリ」

「(笑)さゆり、チャリ乗るの(笑)?」

「え?のるよ~。なんで~?」

「チャリとか、想像つかねぇ~(笑)」

「そうかなぁ~?」

「でも、チャリじゃぁ、確かに、この距離を考えると、そんな買えないもんな」

「そうなんだよね…だから、今日、欲張っちゃった(笑)ごめんね」

「いいよ。良かったよ。買えて」

「うん。ありがとう。一週間は、もつな!!」

「さゆり、意外と料理すんだな」

「意外。って何よ~?」

「なんかしなそうな…お前、生活感がないんだよ」

「そうかな…意外と普通なんですけど…」

清算済みの商品を袋に詰めながら、会話が弾む

「な。今日は、新たなさゆり。発見!みたいな」

「そう言うケイスケこそ、意外と家庭的」

「そう?」

「うん。いいパパになるよ」

「そうかな…」

「うん。なるなる。」

キレイに袋詰めが終わると
尽きない会話に笑いながら駐車場へ向かった

(さすがに…もう、ゆうかちゃんいないよね?)

「車だとこんなに近いんだね~。助かる~」

「チャリは、辛いよな。マンションの前で平気?荷物は、俺、運ぶから」

「いいよ。大丈夫。自分で運べるから」

「いやいやいや(笑)これは、運ぶよ」

「大丈夫。力持ちだし、エレベーター乗っちゃえばすぐだし」

「いや。無理。運ぶ。ここまできたし、変わんねぇし(笑)」

「……ごめんね。じゃぁ、マンション前、取締り厳しいから、駐車場に停めてもらっても良いかな?」

「え?さゆりんち。駐車場つきなの?」

「あっ。そうなの。そういう買い方したみたいで…そのまんまなの…あっ。ここ右で」

駐車場に誘導すると、ケイスケが驚いていた

「本当、高級マンションだな」

「ね。。。私には、もったいない。よね…」

「そんなことねぇよ。心の傷に比べたら…全然」

「きゃは。ありがとう」

荷物を抱え、部屋にたどり着いた

ドアを開けると、冷蔵庫の前まで、何も言わず
運んでくれていた

「ケイスケ…本当ありがとう」
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