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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
「最後まで、最高だった。ありがとう」

「……車、拭いてくね。ウェット除菌とかある?」

(なんだろ…胸が痛い…)

「いいよ。俺やるから。それより、誰か来ないうちに行って」

「でも…………ん…」

ケイスケが、優しいキスをした

「ありがとな。」

「うん。。。ありがとう…バイバイ…」

(あんな優しいキス…ケイスケできたんだ…)

車から降り、社内に向かった

(振り向いちゃ、いけないよね。ただのセフレ…カラダがお互い欲しかっただけ。別にそれ以上は、なにもない。)

自分に何かを言い聞かせるように、いつもの仕事に集中をした。
ケイスケもまた、何もなかったように、無感情にも似た表情で、仕事をこなしていた。

「そろそろ、飯行くか!!」

龍崎がPCを閉じながら立ち上がった

「はい」

3人揃った返事をすると、広瀬が口を開いた

「裏の中華、行きません?」

「いいね~。たまには、外で食うか」

龍崎が言うと、ケイスケも私も頷いた

ドアを出ると、みどり先輩が駆け寄ってきた

「あれ?みんなで、どこか行くの?」

「中華やさんがあるらしいです」

「な~んだ。さゆりと今日こそ、ランチしようと思ったのにな~」

「三枝さんも、良かったら一緒にいかがです?」
龍崎が微笑んだ


(その方が、独りよがりの私の気まずさも、軽減されるかも)

「え~!!悪いですよ~。いいんですか~?」

(行く気満々じゃんか。断る気ないでしょーが)

「どうぞどうぞ」

広瀬もケイスケも歓迎ムードだ

玄関を出るところで、ゆうかちゃんが走ってきた

「あれ?皆さんで、どちらへ?」

ケイスケが話すと、ゆうかちゃんも一緒に行く流れになった

(マジか…)

みどり先輩が何かアイコンタクトをしてきてるが、何をどうしていいかもわからない。

中国人の無愛想なカタコト日本語のオーダーの取り方を、ぼんやり、聞いていた

「実家、大丈夫なの?」
ケイスケが、ゆうかちゃんに話しかけている

「うん。。。ごめんね。もう大丈夫」

カップルの会話に、空かさず、みどり先輩が割り込む

「ゆうかちゃん、実家どこなの?」

「埼玉です」

(昨日…うちの近くにいたよね…やっぱり……)

「えー!!そうなんだ?東京より?」
みどり先輩が更に質問する

「東京まで、2時間かかります」

「それは、大変だね」

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