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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
元セフレ二人と家でご飯という光景に戸惑っていた

一人は、セフレ扱いとは知らずに結婚まで考えていた最愛の人
もう一人は、その前者の傷口を埋めるためにカラダを重ねた男

後者は、場の空気を和まそうと必死になってくれていた

(ビールでも飲まなきゃ、やってられない)

とりあえず、イッキのみ。

「さゆり?スゲーな。」

ケイスケが笑ってる

「なんか。飲みたくて(笑)」

龍崎は、相変わらずダンマリしている

ピザもパスタもサラダもポテトも、ビール片手に、休む間もなく食べていた

「さゆり。ちょっと、酒のペース早いし、食べすぎじゃないか?大丈夫か?」

「だって。ケイスケが言ったんじゃん。食べて飲んで寝る!!が一番ってさ~」

「(笑)そうだけど…ちょっと、休憩したら?」

「へ?そーいや、2便来ないじゃん!」

「だいぶ前にきて、さゆり、しかも食べてるし。酔ってるだろ?」

「あれ?きてた?へへへ」

「ワインも飲んでるし、ちょっと休憩しよ」

「うるさいっ。あたしの、オウチであたしが何を食べて、飲もうと勝手でしょ。眠くなったら寝るし…適当に帰ってね」

「は~い。わかりました~。龍崎さん、そう言えば、車、どこに停めたんですか?」

「ナビ自動で認識して履歴になるから、電車できたんだよ」

座ってから初めて、龍崎が口を開いた

「走った履歴が?スゲー!!」

ケイスケが詳しく聞きたい様子で、身を乗り出す

「奥さんの入れ知恵でしょ」

(あたし…ひどいこと言っちゃった。本当、飲み過ぎかも…)

「その通り。情けないよな。ごめんな」

龍崎がうつむいた

ケイスケが再び、場の空気に気を使っている

「じゃ、飲んじゃいましょ!!」

冷蔵庫を開けて、あれこれ出始めた

「お前、車だろ?」

「電車で、帰れる距離なんで車置いてきます。……にしても、さゆりんち、酒屋、開けんじゃね?ってくらい酒あんな~(笑)」

「じゃんじゃん。お好きなのどーぞっ」

(もうなんか、どーでも良くなってきた…)

「さゆり。ちょっと水にしろよ」

龍崎がグラスを掴んだ

「龍崎さんのせいで、飲んでるんですけど」

(あっ。また、こんなこと言っちゃった。ダメだ。やっぱり、水飲もう…)

「ごめんな。」

「嘘ですー。水飲みます。ちょっと、冗談言い過ぎちゃいましたね。ごめんなさいっ」
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