この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第4章 愚者の後悔




 春馬の自宅に入ったのは何年ぶりだろう。高校生になってからは踏み入れていないから、軽く見積もっても三年以上は経っているか。


 彼の両親も共働きのため不在で、年の離れた姉がいるが、彼女は嫁いですでに家を出ているので室内は静かだ。


 二階へと続く階段を上がり、道路に面した一室が彼の自室だ。


 扉は開けたまま部屋に入ると、春馬は椅子に座った。彼の前にはパソコンが置かれる机がある。


 杏璃は春馬が正面に向かう形で床に正座する。


 久しぶりに彼の部屋に入ったが、記憶とは随分違っていた。


 子供らしい玩具や雑貨類が乱雑していた部屋は、今では機能的でいて整然としている。彼の趣味なのか、オーディオ機器は立派なものだった。


 だがそれらには目もくれず、杏璃は春馬を一点に見据える。


「春馬……。私が間違ってた!」


 不眠の瞳は血走り、他を圧倒するような迫力がある。その目で見つめたまま、静謐〈セイヒツ〉を震わす声で告げる。


「何をどう間違ってたんだ? きっちり説明してみろ」


 対する春馬は杏璃を試すような眼差し。それでいて未だ冷たい色を放っている。


 答えを一手でも間違えれば、即座に斬り捨てる。そんな言を言葉にせずして伝えてきているようだった。







.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ