この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第4章 愚者の後悔



 そうこうしているうち、穂奈美は快楽に身を沈めていった。


 嫌悪していた性交と母の姿。しかしいつしか彼女自身にも、母と同じ血が流れていると認めざるを得なくなっていったのだ。


「恋とか愛って、余裕のある人間の特権なんだって穂奈美は思ってたのかもね。だから最後に登場する男性が、本気で穂奈美に愛を伝えても、穂奈美は受け入れなかった。受け入れられなかった……って私は感じたけど、それも違った。すごいよ、あれ書いた作者」


 彼女の身体だけを求める男たちと違い、最後の相手は彼女の心も求めた。普通に考えれば、その彼と結ばれるのが穂奈美の幸せだし、ハッピーエンドに繋がる。


 しかしエピローグで穂奈美に寄り添うのは、ほんの一瞬しか登場しない男性だった。


 彼は公園の東屋で雨宿りをしていた穂奈美に、自分の傘を差し出した。そればかりでなく、偶然腹の鳴った穂奈美に、コンビニで買ったばかりの温かな肉まんをあげた。


 何の対価も求めず、彼女に触れることもなく、親切心だけを提供したのだ。


 エピローグまで読んだ杏璃は、なぜ穂奈美が彼と一緒にいることを選んだか理解出来なかった。穂奈美の性欲を満たす描写は見当たらなかったのに。


 




.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ