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妄想シンドローム
第5章 恋のイベント発生!?
杏璃も彼女に倣い、身体を前に傾けて彼女の言葉を待つ。
「前にも話したと思うけど、私、中学生の頃からオタクなの。でも、これでも一応高校ん時に彼氏はいたのよ」
へぇ、そうなのか、と口には出さずに動作だけで相槌を打つ。
「で、まぁエッチもその彼と経験したんだけどね。それがまー、痛いのなんのって」
「やっぱり最初って痛いんだね……」
「それは人によりけりだとは思うけどさ。ただ、漫画ではヴァージン喪失のときでも気持ち良さそうだったから、私も期待してたの」
「ふんふん」
「漫画と現実が違うってのは知ってるし、痛かったのはいいの。だけど彼! あいつってば自分だけ勝手に気持ち良くなって、さっさと終わって。私のことなんてこれっぽっちも考えてくれなかったの!」
「何それ! 最悪っ!!」
杏璃は未経験だが、最初の時、女性側に負担が大きいのは知っている。それなのに女性を労わらないなんて、男として恋人としてあるまじき行為。
憤慨する杏璃に由奈も「でしょ!」と頬を膨らませる。
「しかもだよ? 私も気持ち良かったって勝手に決めつけて、またしよーなーとか言っちゃって。あれで完全に三次元の男に興味が失せちゃった」
ふんっと鼻息を一つ吐き出し、由奈は腕を組んだ。
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