この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第6章 水面下の戦い




 顔を洗い、髪を軽く整えて、薄くメイクをしてから着替え、リビングに行く。


「遅い!」


 途端に飛んでくる非難。今日会う約束はしていなかったのに、この扱いは理不尽だ。


 だが理不尽を訴えたところでやりこめられるのは目に見えていて、杏璃は疑問をそっと投げる。


「あの……今日って何の用で来たの?」


「お前に用事はない」


「えぇー……。用もないのに叩き起こされて、この扱い……」


 がくりと項垂れる。


「他に用事があって通りかかったら、あの男を見掛けて、注意しに寄った」


「わざわざ……?」


「ああ」


「そっか……。うん、ありがと」


 春馬は何だかんだと言いつつ優しいところがある。杏璃の司への復讐だって付き合う必要なんてどこにもないのに、手伝ってくれている。口調こそ辛辣なものがあるが、根は優しいのだ。


 そういう部分に触れるとき、杏璃は妙なくすぐったさを覚えずにいられない。


「あ、で。あいつ何て? 何か言ってた?」


 照れている自分を見せるのが恥ずかしくて、話題を変える。


「いや、特に」


「じゃあ何しに来たんだろ。やっぱ出掛けること? 毎日しつこいのよ、あいつ」


 今日もそうだが、ほぼ毎日メールや電話が鳴りっぱなしだ。本当にストーカーなんじゃと疑うほどだ。






.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ