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妄想シンドローム
第1章 彼女が○○を目指した理由〈ワケ〉
「私だって友達から信頼はされてると思うよ? たださ、私の後釜狙いの子なんて沢山いるだろうから、私の言葉より司のこと信じたほうが得……とか考えちゃったら……ねぇ?」
「女の本性を聞くと、お前の元カレなんて可愛いもんだ」
「あんな男と一緒にしないで!」
「そんな男に三年間も捧げて悔しくないのか」
腕を組んで無表情で告げられた言葉が胸に刺さる。
悔しくないかだ? 悔しいに決まっているじゃないか。
人生において大事な青春とも言うべき高校の三年間を、彼一筋に費やした。先の人生を彼と共に歩むと夢見た。
裏切られただなんて簡単な言葉で片付けられない苦痛を与えられ、瞼が腫れるほど泣いてもまだ足りないのだから。
復讐出来るものならしてやりたい。自分が受けた痛み……いや、それ以外の屈辱を味あわせてやりたい。
「でも……私が司に何をしようと、痛くも痒くもないんだよ」
周囲には自分の言葉が優先される。そう知っているからこその、あの態度だったのだと杏璃には解っていた。
「だろうな。だがひとつだけあるぞ。あいつの吠え面かかせる方法が」
「……えっ!?」
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