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妄想シンドローム
第6章 水面下の戦い




 混み合うフードコートでどうにか席を確保した一行。


 まず由奈と杏璃が食事を買ってきて、あとから司と春馬が行った。彼らに声が届かなくなると、杏璃が申し訳なさそうに謝ってきた。


「由奈ちゃん、ほんっとごめんね。嫌な役回りさせちゃってるよね」


「全然そんなことないって! 逆に清々しい!」


 え? という顔の杏璃に話して聞かせる。


「ほら、前に小説だけじゃ復讐としては甘いって話したじゃない? 私としては司くんが嫌がりそうな、何日も洗ってない手でベタベタ触ってやるくらいはしたいんだけど」


「気絶しちゃうって!」


「したっていいじゃない。それで起きたらあらびっくり! 汗っかきのおじさん集めて介抱させて、手汗にまみれる恐怖にまた気絶の永久ループ!」


「なんか……そっちのがお手軽に復讐出来る気がしてきたかも。なんで気が付かなかったんだろ」


「お手軽だけど人員集めるのとか大変だけどね」


「たしかに。それに司じゃあ、おじさんより綺麗なお姉さんたちが集まってきて、自意識過剰に輪がかかりそう」


 杏璃の引き攣り笑いに由奈は同意する。





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