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妄想シンドローム
第1章 彼女が○○を目指した理由〈ワケ〉





 ……つい三十分前に宣言し、なんだってやると意気込んだことに後悔している杏璃がいた。


 随分と軽くなってしまった財布と反比例して、ずしりと重たい物を腕に抱える杏璃は、蒼穹を羽ばたく鳥を見上げて目を細める。


「私、次に生まれ変わったら鳥になる」


「そうか。その鳥頭にしては賢明な判断だ。だが今生は精一杯人として生きろ。まず現実逃避する癖はよせ」


 杏璃と同じように重たそうな荷物を抱える春馬が、辛辣な口調で歩みを止める杏璃に進めと視線で促す。


「歩くよ! 歩けばいいんでしょ!? たださぁ、これの訳くらい教えてくれない!?」


「お前の家に着いたらだ。うっかり転んで袋の中身をぶちまけて、社会的に抹殺されたくなかったらさっさと行くぞ」


「もう充分抹殺されたよ! 知り合いに見られてないよね? ねっ!?」


「お前の知り合い全部を把握してると思うか?」


「質問に質問で返すのエチケット違反ですー」


「その煩い口を糊付けしてホチキスでとめてやろうか」


「想像しただけで痛いからやめて!」


 と、こんな調子でギャーギャー騒いで辿り着いたのは、杏璃の自宅だった。





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