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妄想シンドローム
第7章 意外な正体
大学生になった遼子はがらりとイメージチェンジをし、清楚系の洋服を纏い、話し方もどこかのご令嬢のように淑やかだった。
しかし一年も経つと飽きたのか、今度は黒色の洋服ばかり着ているのを目にしたのだ。
見た目の変化だけならオシャレな人だと頷けるし、憧れもした。だが話し方も服装の変化と共に変わり、同じ人物かと疑ったほどだ。
遼子に驚かされたのは見た目だけではない。行動にもだ。
彼女は根っからの姉御肌で、杏璃もよく面倒を見てもらった。
小学生の時にはお菓子を買ってもらったことが幾度もあったし、春馬と一緒に遊びに連れて行ってもらった経験もある。
ただその時、遼子の友人も同伴していて、周りをギャルに囲まれているというのは、少々複雑な心境になったものだ。なぜなら見た目に圧倒されるにくわえ、理解不能な言葉が飛び交っていたから。
さらに遼子が大学生になり運転免許を取得した際、ドライブがしたくて堪らなかった彼女に春馬と車に詰め込まれたことがあった。
初心者マークが貼り付いた車でのドライブはけして快適とは言えず、遼子の意味不明な高笑いが車内に響き渡る中、高速道路を疾走した体験は軽めに言っても――トラウマになるレベルだった。
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