この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第7章 意外な正体



 杏璃は甦った記憶で乗り物酔いになりそになり、頭を小刻みに振って記憶を散らし、目前の遼子へと意識を向ける。


「そりゃ驚くよねー。優希でさえ驚いてたんだから」


「やっぱり春馬も知らなかったんだ」


 春馬が遼子のペンネームを知っていたなら、もっと早く打ち明けていたはずだ。よって知らなかったことは予想していた。


 そこでどういう経緯で遼子が藤堂志保だと知り得たのか訊ねた。


「この前、仕事がひと段落したからひっさびさに里帰りしたの。でも優希ったら、やれバイトだ何だってあたしと顔を合わせようとしなくてさぁ。ひどいと思わなーい?」


「あはは……。春馬って昔っから遼子さんのこと苦手だよねぇ」


 毒舌と鋭い眼光で向かうところ敵なしな春馬の、唯一の天敵が遼子だ。


 兄弟のいない杏璃にとって、遼子はお姉さんのような存在だ。破天荒なところはあれど、面倒見がよくて頼りになる。


 だが実の弟にとってはそうではないようで。遊びに連れて行ってもらっても、春馬は心底嫌そうにしていた。


 どうして遼子を煙たがるか詳しく話したがらないことからも、相当思うところがあると窺えた。


 今も仏頂面がいつもに増していて、遼子を見ようともしないし口を開こうともしないので、苦手意識は健在なんだろう。






.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ