この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第7章 意外な正体




 遼子の身の上話が終わると、春馬が話を通しておいてくれたらしく、杏璃の相談に乗ってくれると申し出てくれた。


「あ、ビール呑みながらでもいい? 昨日まで修羅場でさぁ、全然呑めてなくて」


 杏璃が心より頷くと、遼子は立ち上がって冷蔵庫を開けた。


「うわ! ビール切らしてんじゃん。買っておいてって言ったのに、もー」


 遼子はぶつくさと文句を言いつつ別室へと入っていき、戻ってきた彼女の手には一万円札が握られていた。


 その手を春馬へと差し出す。


「おい、愚弟。ちょっとそこまで買ってらっしゃい」


「は? なんで俺が」


「あたしが買ってこいって言ったら、一も二もなく買ってこればいいのよ。解ったら行ってきな」


 春馬に命令口調……。世界広しと言えど、こんな暴挙を働けるのは遼子しかいない。


 春馬がどう出るかハラハラして見守っていたが、舌打ちをした彼は奪うようにお札を遼子からもぎ取り、無言で玄関へと歩いていくではないか。


「マンション出て右にまーーっすぐ行ったらコンビニあるからよろしく」


 彼の背に遼子は大声で呼び掛け、直後に荒々しく扉が閉まった。


 すごい。あの春馬を顎で使った。


 杏璃は感動を覚えると共に、姉弟にも縦社会があるのだと知った。





.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ