この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妄想シンドローム
第2章 いざ、始動



「あはは! 杏璃だっていい思いしたじゃないか! 僕を非難する権利あるの?」


 涙を零すまいとする瞳で司を睨む。


「僕のような男と付き合って、友達から羨まれたでしょ? 浴びせられる羨望は気持ち良かったんじゃない? 一時でも幸せな夢を見られて、舞い上がったんじゃない? そのことも自慢して回ったでしょ? 杏璃も僕を利用してた。僕が杏璃にしたことと、何の違いがあるの?」


 杏璃の心が悲鳴を上げる。


 最低の男と付き合っていたのが悲しいのではない。それよりもそんな風に思われていたのが悲しくて仕方ないのだ。


 そりゃあ羨ましがられて、嫌な気分にはならなかった。彼が自分を大切に扱ってくれることを嬉々として話しもした。


 だがそんなものだけで司と一緒にいたと思われるのは、心外だった。


「もう……いい」


 いくら話し合っても理解し合えない人がこの世にはいる。ただそれだけだと、杏璃には割り切るしか道はない気がした。


 杏璃は恨みつらみを飲み込み、教室を出ていこうとすると、待ったの声がかかった。


「本題はまだだよ」


「もう話すことないから」


 決然と言い、背を向けたまま歩むのを止めないでいると。


「大学生活の残り三年半。杏璃は独りぼっちで過ごしてもいいんだ?」







.
/248ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ