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妄想シンドローム
第2章 いざ、始動



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「ぐやじぃぃぃ! ぐやじいよぉ!」


 ピンク色の女の園で、例の如く杏璃は盛大に泣いていた。


 対面に座るのはもちろん――春馬だ。


 そして例の如く、春馬には非難の眼差しが集う客から一斉に投げられていた。


 今日もまた、彼の眉間には深いシワが刻まれる。


「……で、なぜ俺がこんな目に遭わなきゃならんのだ!? またこの店で!!」


「でも……でもぉ! 来てくれたじゃん! ありがどぉぉぉ」


 えっぐ、えっぐと泣きながら、杏璃が春馬の義理堅さに心底感謝する。


「もういいから……鼻水くらい拭け」


 春馬はテーブルに置いてあるペーパーナプキンを杏璃へと寄越す。


 それを受け取った杏璃は、ぞんざいに鼻の下を拭った。しかし後から後から鼻水が湧いてきて、許されるならば詰めてしまいたいくらい。


 杏璃がペーパーナプキンを丸めるのを見た春馬によって、即座に止められたが。


「それで? 言い返しもせず、そんな訳の解らない取引きに乗ったのか」


「乗るしかなかったの!」


 机をバンっと叩き、憤りをぶつける。


「春馬は知ってるでしょ、私が小学生の頃に虐められてたの」


 司に抵抗しきれなかった原因はそこにあった。






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