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妄想シンドローム
第2章 いざ、始動
「ふん。お前がそれでいいならいいんじゃないか?」
「良くはないけども……」
「それにだ。従順なふりして今のうちにもっと見下させておけば、のちのち吠え面も一層凄まじくなるだろうしな」
「春馬って……悪だくみ考えてるとき、何でそんなに楽しそうなの」
くくく、と喉を鳴らす春馬に杏璃は引く。
味方でいるうちはいいが、絶対に敵に回したくないタイプとは彼のような人のことだろう。
「話は戻るけどさぁ。今にして思うと、なーんで子供の私は春馬のアドバイスなんてうんうん聞いちゃったんだろう。すんごい不思議」
「馬鹿だからだろ」
「もうっ! バカバカ言わないで……って、そうじゃなくて。春馬も言いたいこと言うし、人になんてぜーーったい合わせないでしょ?」
「絶対的強者に人は跪くもんだ」
「恐怖政治!? 春馬は政治家とかなっちゃダメだからね!」
「なるか。……あんなもの、人付き合いの基本だ。アドバイスなんてたいそうなもんじゃない。というより、アレをアドバイスと受け取るお前のが凄いぞ。ドMなのも大概にしとけよ」
「えぇっ!? アドバイスじゃなかったの!?」
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