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want to be ...【短編集】
第8章 矢野家訪問
「いいじゃん、そのまま襲われれば」
「何言ってんの、寝起きで機嫌悪い蒼汰のセックス
どんだけ激しいか分かってんの?自分で」
「…そうなんだ。知らんかったわぁ」
ふぁ〜ぁあ、と大きな欠伸をして、あたしの手からアヒルが奪われる。
「…あー」
とられちゃった…
「こいつの顔杏奈みたい」
「…えぇ、どういうこと」
「こうしたら、ほら」
「んむ」
頬を片手で持って潰され、唇を突き出した形になる。
覗き込んでくる蒼汰を睨むと、ケラケラ笑われた。
「ははっ!似てる」
「うっ、うるさいっ!ばかっ」
「いいじゃん、可愛いって意味だよ」
「…そーなの?」
「バカっぽくてね?」
ばしゃっ。
「ぶっ!…っ、おい杏奈!」
「もー知らないっ!」
それから蒼汰と水掛けっこ。
「やっ!あっ、ちょっと!頭にかけないで!
もう髪洗ったんだからぁあ」
「ごめんごめーん」
…なんて適当に謝りながら、ほんとに掛けてこない蒼汰。
「…あたし上がる」
「えぇ、待ってよ。俺も俺も」
「まだ洗ってないでしょ!?」
「ん。だから待っててよ?」
「やだ」
「そんなこと言わず」
カチャ
あっ。
鍵掛けやがったこの人。
湯船から上がって扉に鍵を掛け、頭から思いきりシャワーの水を被る蒼汰。
ふと振り返って
「髪乾かしてやるから」
と笑う。
「…それなら待ってる」
蒼汰、髪乾かすの上手だからなぁ。
蒼汰に取り上げられて(というか水掛けっこで流されて)いろんなところに転がってるアヒル達を浴槽から手を伸ばして救助する。
その内の2つを持ち、キスさせ合う。
アヒルってどうやってセックスするんだろう?なんて思ってると。
「ちなみに3泊するからさー、
下着とかも何着か用意しといてね」
「分かったぁ。…あっ?」
何?今何て?
「3泊っ!?」
「うん」
「3連休全部?なっ…長くない?それに、仕事…」
「だってお前も明日から休みだろ?」
「そ…だけど」
「俺も休み。だから連れてこうと思って。
親もうっせぇしな、彼女連れてこいって」
えっそういう話は既についてるの!?