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want to be ...【短編集】
第8章 矢野家訪問






ていうか手、離してくれないかな…


「…そ、」


「ねぇ。友達にならない?つーか、名前教えてよ」


「…っ」


え、何…?


ぐっと腕を掴まれ、眉をひそめてしまう。


「あの、痛いです。やめてください」


「名前教えてくれたら離してやるって」


「…」


めちゃくちゃだ。


また、蒼汰の名前を呼ぼうとしたけど。


…こういうの、自分で解決しなきゃだよね。


ていうか、無視してよう。


「あんずです」


何となく偽名を使い、蒼汰の頭に寄りかかる。


この人に「杏奈」なんて呼ばれたくない。


「あんずちゃんか。可愛いね」


…どうも。


偽名だけど。


それから男の人が何か言ってたけど、本当に眠くなってきて蒼汰の髪に顔を埋める。


…あぁ、落ち着く…


「ねぇ、あんずちゃん」


しつこ…


ていうか名前教えたんだから、腕離してほしい…


はぁ、と小さくため息。


「彼氏いんの?あんずちゃん」


隣にいますけど。


何で?寝てるから見えないのかな?


「俺あんずちゃん超タイプだな〜、
友達からお付き合いとかどう?」


何で知り合いでも何でもないのにそんなこと…


「まずはデートしようよ。
いろんなところ連れてってあげるよ?」


は…?絶対行かないし展開がおかしいんですけど…


心の中でツッコミながらも、本当にうとうとしてきて…


…あ、イヤホン耳から外したいのに。


眠くてもう、無理…


「…え、無視?」


男の人の声ががらりと変わる。


それでも、眠くて。


すとん、と眠りの世界に堕ちそうになった、その時だった。


「…っ!?いたっ…」


思いきり腕を強く掴まれ、余りの痛さに眠気が吹っ飛んでしまった。


「何っ…!?」


「はぁ…!?何じゃねぇよ!
デートしよっつってんだろ!?話聞けよ!」


男の人の大きな声に周りの席の人が何事かというように振り返って見てくる。


やだこの人…


「あの…周りの人に迷惑なのでやめてください。
あとあたし、彼氏…」


「口答えすんじゃねぇよ!ちょっと可愛いからって、
こっちが下手に出りゃ調子乗りやがって!!」


はぁあ!?


どんな言い掛かりよ!?


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