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want to be ...【短編集】
第8章 矢野家訪問
「…も、持ち越し…どうして楽しみなの」
「さぁ…明日になったら分かるんじゃね」
「…」
…だ、だから。
その笑みは何なのよ…!?
この、蒼汰の含んだ妖しい笑みの原因を。
明日あたしは身体で痛いほど実感することになる…
そんなことも知らずに、不思議に思いながらも明日の予定を話し合って、寄り添って眠ったあたし達。
…幸せな、夢を見た。
あたしの大きなお腹を、隣に座る蒼汰と小さな女の子と男の子が撫でてくれてる夢…
…ん?
もう3人目?
蒼汰SIDE
「…杏奈ちゃーん」
「…」
「杏奈〜」
「…」
「珍しいな、俺より遅いなんて」
「…んん」
「…あぁそこに抱き着くな〜変な気分になる」
「…ふぅん」
「…、ふぅんじゃねぇよ。起きてんのか?
…って寝てんのかよ!…あっバカ、やめろって!
おいっ起きろっ、勃つ!勃つって!」
腰に抱き着いてきたと思ったら俺の下半身に顔を埋めてきた杏奈。
「…ちょ。ねぇ」
すー…すー…と規則正しい寝息が股間に当たり、
…って。
ねぇ…もう、ほんとに。
「…杏奈。てめー寝起きで襲われたいか」
「…」
「朝勃ちのクソ濃厚なの注がれたいか?
昨日の夜シてねぇし抜いてねぇから超濃厚ですよ?」
「…」
「それともお口がいいか?全部飲み込ませんぞコラ」
「…」
…待て。
何でここまでして起きねぇの?
ふと起きてから初めて見る時計の針は…5時半。
…5時半!?
「…ごめん杏奈。俺が悪かった」
外明るいからてっきり朝かと思ったわ。
今日は散歩がてら街を歩いて俺の母校に連れていく予定で、10時に家を出るつもり。
…あと4時間近く寝れるじゃねぇか。
俺も寝よう。
そう思って目を閉じた。
だけど。
「…寝れねー」
俺の腰に抱き着く誰かさんのせいで…
引き剥がそうとしても凄い力でまた引っ付いてくる。
その繰り返し。
繰り返してる内に完全に目が冴えて眠れなくなってしまった。