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want to be ...【短編集】
第8章 矢野家訪問
セフレ関係の時と違って俺も鬼じゃない。
もちろん杏奈の言うことをちゃんと聞く…けど。
唇を噛み締め、そっぽを向いてる杏奈。
…ふーん?
なるほど…ね。
こいつのことは一応、理解出来てるからな。
性格はもちろん…''コッチ''の事も…な。
…顔が、「シたい」って言ってる。
全力で。
だけど、何の抵抗心なのか素直になれていない杏奈。
こういう杏奈の対処…俺めーっちゃ好きなんだよね。
素直になった時の反応がいつもと違うからな。
「そっか…じゃあシたくさせてやる」
「!?」
俺の言葉に驚いたように顔を上げ、目に涙を潤ませる杏奈。
「やっ、違っ…!…ぁ!」
首筋に顔を埋め、ねっとりと愛撫。
力なく俺の胸を押す杏奈の腕を掴み、首筋を舌でナゾってマークを付けた。
「あ!っ、…っんん…」
ほら…抵抗しない。
こういう時は、杏奈から求めさせるのが下半身に一番クる。
パジャマのボタンを、わざとパジャマ越しの肌に触れるように外していくと、
「ん、っはぁ…ダメだってばぁ…」
なんて可愛い声を出す。
「…嫌ならもっと抵抗しろって。
煽られてるようにしか感じないんだけど?」
「っ、だってぇ…」
だってぇ、じゃねぇし。
可愛いわ。
たまにされる本気の''拒否''とは大違いだな?
「…へぇ、そう。よく分かんねぇけど、
嫌ならやめようか?」
「…っ!」
縋るような目で俺を見つめる杏奈。
うわ。
堪んねー…
「…抱かれたいなら。素直に言えば?
俺に…抱いてください、って」
自分でも相当甘ったるい声が出てるなーと思う。
ぽろり、と杏奈の目から零れる涙。
その涙を指でそっと拭う。
可愛い可愛い、俺の杏奈
早く素直になりなって。
言葉じゃなくて、身体に聞こうか?
杏奈の身体いつだって素直だからな。
そして。
杏奈の反応を楽しんでいた俺は。
こういう時の杏奈は、俺の想像の斜め上をいく攻撃をぶっかましてくることを…すっかり忘れていた。