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want to be ...【短編集】
第8章 矢野家訪問
普段SNSとかこういう系のものを使用しないため、逆に新鮮だった。
そして、ストレス社会と言われる現代の闇を垣間見た。
すげーなこの人達。
顔も知らない人に対してなんでここまで言えるんだ?
顔が見えないからあんなに言えるのか?
顔が分からない相手に暴言を吐くことによって、ストレスを発散しているんだろうか。
…どうかしてません?
そんなパワーあるなら他に使えばいいのに。
それともSNSを始めたら、俺もそんな人と同じく赤の他人にストレスをぶつけるようになるんだろうか。
いやならない自信あるな…
だって小学生の時習っただろ?
「自分がされて嫌なことは人にしない」って。
小学生の時以前に親から教わってるよな?
ストレス発散方法は人それぞれだろうけど、SNSで発散って方法もあるんだな、って全然違う収穫を得てしまった。
いろんな世代の人達の意見聞きたかったのにな、と思ったけど、あれだけ批判されたから、ああやっぱり俺はとんでもないことをしてしまったんだな、と深く反省した。
そして、杏奈に向けた自分の言葉の暴力の酷さも気付いた。
好きであろうと嫌いであろうと。
絶対にかけてはいけない言葉をいくつも杏奈にぶつけた俺。
中には、杏奈を泣かせたくてわざと酷い言葉を選んでまで…
それで、自分が思ったことがブーメランで返ってきて、何なら突き刺さっている事に気付いた。
「自分がされて嫌なことは人にしない」…
もし、杏奈に言った言葉を逆に杏奈から言われたら?
大樹から、美咲から言われたら?
…耐えられない、耐えられるわけがない…
小学生以下なのは、自分だった。
自分ばかり可愛くて、人の気持ちを考えられていなかった。
高校生の時、母親から言われた言葉を思い出す。
母親は、俺が美咲を好きなことを知っていて、美咲が大樹と付き合っていることももちろん知っていて。
それでもときどき美咲にちょっかいをかけていた俺に、こんな言葉をかけた。