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want to be ...【短編集】
第1章 カナヅチ杏奈
いや、例外!
例外いるだろうけど!
それから、…もう何の体位で突かれたか分かんない。
5回くらい体位を変えて突かれて、寸前で抜いてあたしのお腹にかけた蒼汰は、あたしの額を流れる汗を拭ってくれた。
力が抜けて岩に全体重をかけてるあたしは、されるままになるしかない。
「…熱い」
「何が?」
「…」
ムカつく…
「…あたし達の今日の目標って何だったっけ」
「杏奈のカナヅチ克服」
「…してくれる気ある?」
「ははっ」
「何で笑うのっ」
「杏奈が可愛くて」
「…は」
「…っふ!顔あか」
〜ムカつく!
「もう嫌…性欲バーカ」
「それ程でも」
「褒めてないし!」
手を貸してくれてるけど、無視してそのまま立ち上がる。
「ごめんって杏奈ー、機嫌治して?」
後ろから追い掛けてくる蒼汰を、よろけながらも早足で歩いて無視する。
「あーんな」
あー可愛い。
最っ高な足してんな。
「ごーめんって。浮き輪持ってこ?」
「…ん」
不服そうだけど頷いた杏奈の腰に腕を回して抱き寄せる。
「暑い!歩きにくいっ」
「支えてないとお前ちゃんと歩けないだろ〜?」
「誰のせいよ!」
もー!セックスしに来たんじゃないのに!
言い合いながらロッカーに来たあたし達。
「パーカー置いて浮き輪持ってくっから、
ここで待ってろよ」
そう言われて、大人しく男子ロッカーの前で待つ。
日焼け止め塗り直したいなぁ…
そう思って太陽を見上げる。
でも勝手にいなくなったら怒るよねー…
そんなことを思ってると。
「かーのじょ!可愛いね、1人?俺らと遊ぼうよ」
…何か来たし!
あたしはあんたの彼女じゃないわ!
無視を決め込んでると、顔を覗き込まれる。
「ねぇ聞いてる?あーそぼ」
ウザい!意味分かんない!
ちらりと見上げ、すぐ逸らす。
蒼汰の方が全然イケメンだし!
何であたしがあんたらと遊ばんにゃならん!
「…ね。それ、俺のなんだけど。
譲る気全くないからどっか行ってくれる?」
…それって何よ!
あたしはモノ扱いか!
どいつもこいつも…
無言で知らない男達の輪から抜け、蒼汰の腕を掴んで引っ張る。