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want to be ...【短編集】
第5章 温泉旅行 1日目
…という訳で。
「ねぇほんとにいいのー!?」
めちゃくちゃ可愛く喜んでる美咲さんと、安定の仏頂面の大樹さんとあたしと蒼汰で、いざ静岡へ。
「大樹さん、運転ありがとうございます」
「…うん」
美咲さんと地元に帰省していて、産まれて数ヶ月の双子を美咲さんのご両親に預けてきたらしい。
美咲さん曰く、大樹さん、美咲さんのお兄さんにお会いしてからなぜかずっと不機嫌なんだって。
「大樹ぃ、眉間に皺寄ってるよ?」
「…じゃあ美咲、ほぐして」
「ストレス溜めるのはよくないんだよー?」
「ん…だからたっぷりお前の身体で
ストレス発散させて貰うわ」
「お手柔らかにね~」
凄いな、この2人。
フンフンと可愛らしく鼻歌を歌ってる美咲さん。
無言で運転し続ける大樹さん。
あたしの隣で眠そうにカクカク頭を揺らしてる蒼汰。
美咲さんと大樹さんにときめいてるあたし。
この4人で、静岡へと旅立った。
「ねぇ大樹ー、運転交代する?疲れたでしょ」
「…や。疲れてるけど大丈夫」
「そうー?久しぶりに運転したいんだけどな」
「…あ?おい待て…俺遺書書いてきてねぇぞ?」
「っえー!どういう事っ!?失礼だよ~」
「…俺も書いてない。まだ死ねねぇ」
ボソッと美咲さんに聞こえないくらい小さな声で呟く大樹さん。
ねぇ…そんな美咲さんの運転危ないんですか!?
大樹さんまでそう言うなんて…どんなレベルよ!
「じゃあ俺が運転すっかなー。
最近会社で車乗ってっし、大丈夫だろ」
「あぁ…それなら頼む」
「えぇー?あたしはー?運転したい~」
「美咲…は、今度俺と運転の練習しような…?」
…た、大樹さん…綺麗な顔が歪んでおられます…
どんな凄い運転なんだろう…
サービスエリアで休憩し、運転は蒼汰、助手席にあたし、後部座席に美咲さんと大樹さんが座る。
すっごく振り向きたい…乗ってすぐいちゃいちゃしてる…
「よーし、出発」
かなりの高級車の大樹さんの車。
「…って、あれ。これエンジンどこだよ」
「これじゃない?」
ブーン
「…違うじゃねぇか!」
「…あれっ」
「…おいてめぇら何やってる」
「…あ。ねぇエンジンって…」