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want to be ...【短編集】
第5章 温泉旅行 1日目
「…はい気を取り直してー、しゅっぱーつ」
「しんこーう!」
「しんこーうっ」
「…」
蒼汰の言葉にあたしと美咲さんが続き、大樹さんは安定の無言を貫く。
「事故んじゃねぇぞ蒼汰。
事故りやがったら請求倍にして送り付けるから」
「…り、了解でーす」
蒼汰が返事して走り出した車。
大樹さんからエンジンや、ブレーキやアクセルの場所まで教えて貰った蒼汰。
最初の混んでいる道では、車間距離もとってるし安全運転だな、と思ってた。
後ろでイチャイチャしてて、ちゅっちゅっとか音が聞こえたからキスしてるのかな~ってほっこりしてて。
その内声が聞こえなくなって、ふと振り返ると。
「…っぎゃぁぁぁぁあ」
起こさない程度に叫んでしまった。
「…あ?どうした」
「みっ…見て!寄り添って寝てる…!」
「…」
ヤバい、何このお2人!
異常に寝顔が綺麗…!
そっとカメラを起動し、音が出るところを押さえて音が響かないようにして連写。
「…おいバカ撮んな、大樹怒るぞ」
「あとで許可とるー!」
ほんと綺麗…
運転してる蒼汰にカメラを向けて、蒼汰も連写。
「…おいこら」
怒る蒼汰を無視してインカメラにして、寄り添って寝てる2人と3ショット、蒼汰と2ショットを撮る。
「…眠くねぇの?お前」
「ぜーんぜん。楽しみすぎて寝れない~」
「昨日寝かさなかったのに?」
「…」
ふ、と鼻で笑ってあたしを横目で見る蒼汰。
さんざん突かれた子宮がきゅん、と鳴る。
「…っい、いじわるだよね。
今日もどうせ寝かせてくれないんでしょ?」
「どうしよっかなー…、
大樹が美咲の事寝かさないんなら、
俺もお前寝かしてやんない」
「えぇー…、
じゃあ絶対寝かしてくれない事になるじゃん…」
「うん…まあ頑張って」
言いつつあたしの手を握ってくれる。
…う。
なんか…まだ慣れないなぁ…
「…お、温泉、疲れ癒しに来てるんだよ?
エッチしたら疲れ取れないじゃん」
「…今時好き合ってる男女が、
疲れ癒す目的だけで温泉来ると思うか?
そりゃヤリまくるだろうよ、ふかふかの布団で」
「…卑猥だっ」
「あ、ベッドだっけ?」