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want to be ...【短編集】
第5章 温泉旅行 1日目






「えぇ何で〜」


「抱き心地いいからな。つかもっと太っていいよ」


「…へ、変な事言わないでよ」


「いやほんとに。
お前さ、痩せてる癖に肌もちもちしてんじゃん?」


「…えっ!?もち!?」


「そう。この吸い付いてくる感じの感触…
これ逃すのキツいから、痩せる必要ないよ」


「…意味が分からない」


「分かんなくていいよ」


信号待ちであたしの後ろに立って、あたしのTシャツの裾から手を入れてひたすら腕やお腹をさすってくる蒼汰。


「…何してるの?」


「…セクハラって言えばいい?」


「…、こんなセクハラの仕方するの蒼汰だけだよ…」


「それでいいよ。…いやぁ撫で心地いいなぁ」


「ここ道だよ?」


「いや普通に隣のカップルの方が凄い」


「?」


その言葉に振り向くと、


「…ちょっ」


キスしてるんですけど!!


大樹さんが美咲さんの身体抱き寄せてキスしようとしてて、美咲さんは「やだ〜」って押しのけてるけど結局キスされてて…


「な?凄いだろ?
早く慣れろよ、今に始まった事じゃねぇぞ」


「…う、うん」


「高校ん時なんてもー凄かったから。
部屋にいたら俺の前でセックス始めようとするし」


…あたしは見たいなぁ。


「まあ俺も傍観するんだけどね」


あたしも見るの混ぜてほしい…


「空気みたいにしてたら2人共気付かねぇの。
でもあれは1回見た方がいい。
美咲は異常にエロいし大樹もハンパねぇし」


「…勃った?」


「当たり前だろ。男なめんな」


「えぇ〜」


信号が青になって皆が歩き出す。


「あいつらのセックス見たらな、
美咲が大食いになった理由すぐ分かる。
すげぇんだもん、ありゃカロリー消費するわ」


「…えっ、もしかして最後まで見たの?」


にやり。


そんな効果音がつくくらいイヤらしく笑う蒼汰。


「なっ!?さっ…最低!
なななんっ…何で!?2人共気付かないの!?」


「そりゃだって2人の世界入ってんもん。
お前だって俺とセックスしてる時に
人入ってきたら気付くか?気付かねぇだろ?」


え、あ、…き、気付かないだろうけど…


「…って、怖いよ!
セックス中に人入ってくるとか…怖いって!」


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