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want to be ...【短編集】
第5章 温泉旅行 1日目
いやもちろん、ものすごくレベルの高い会社に勤めてて、もうすぐ独立開業するって人だから、お金なんてわんさか持ってるんだろうけど…!
なんていうか、いろんな意味で広ーい人だよね。
美咲さんの事になるといろんな意味で狭い気がするけど…
…って、失礼か。
大樹さんと話しながら歩いてる蒼汰の少し後ろ、にこにこしてる美咲さんの隣を歩く。
「温泉、楽しみだねー!」
「ですねー!ほんっと、楽しみですっ」
あなたの美しい身体を見るのがっ!
だってほんと、楽しみだよ!
水着でさえ見とれるくらい綺麗なんだから、裸なんて見ちゃったら…
…って、わぁ、ヤバいな。
あたしだんだん変態になってきちゃってる…
「部屋ついて一段落したら温泉行きましょ!」
「うん!行こ行こーっ」
…って会話を、してたけど。
それぞれ部屋に入る直前で、大樹さんがあたし達を振り返った。
「…あ。お前ら絶対俺らの部屋入ってくんじゃねぇぞ」
へ?と思ったのもつかの間。
「はいはい分かってます」
軽い返事をする蒼汰に腕を引かれあたし達は部屋に入った。
「…ね、蒼汰…どういう事?入ってくんなって…」
「うん…あれは美咲、確実にここの温泉入れねぇわ」
「…えっ!?何で?」
「だって大樹、ここ予約したの美咲抱く為だよ。
だから自分で宿予約したんだろうよ、きっと。
しっかしあいつもなかなかの趣味してんなぁ…
部屋が部屋だな、ヤれと言わんばかり」
…確かに。
部屋に入ってまず思ったのが、
「何だかエロい」
だった。
夜だから既に敷かれてるお布団。
当然その2つの間に隙間はない。
…って、それより!
「ねぇあたし…さっき美咲さんと、
一段落したら温泉行こうって約束したんだけど…」
「あーそれは叶わない約束ですねぇ」
「…!?大樹さんのバカー!」
「はっは、残念。
今日は大樹が美咲一人占めするんだわ」
「温泉入りに来たのに!?」
「だから言ったろ、美咲抱く為に予約したんだよ」
「…恐ろしい」
「そういうやつだもん」
「え、明日は美咲さんと一緒に入れるよね…?」
「さあな…大樹が美咲を離せば」
「…嫌な予感」