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want to be ...【短編集】
第5章 温泉旅行 1日目
*.。.:*・゚*.:*・゚
タオルとお風呂用品を持って大浴場の中に入る。
結構人いるなぁ…
美咲さんいないかな、と思いながらかけ湯をして、先に身体を洗おうとシャワーブースへ向かう。
今日安全日だーとか、美咲さんの可愛さとか、大樹さんの無駄な色気とかっこよさとか、蒼汰の恐ろしい運転とかいろいろ思い出したり考えたりしながら身体や髪を洗い、お団子に束ねてさっぱりした気持ちで温泉に入った。
…気持ちいい。
最高だぁ…
たまにはいいよね、こんな大きなところに入れるの。
蒼汰と住んでるマンションにも当然浴槽はあるし、足十分に伸ばせるし蒼汰と2人で入れるくらい広いけど、温泉の広さには敵わないなぁ…
源泉掛け流しの熱い温泉にまったり浸かり、炭酸泉にゆっくり浸かり、ジェットバスで疲れを癒し、露天風呂で景色を楽しんで…
上がって髪乾かしたら丁度かな、って時間に上がり、美咲さんいなかったなーって思いながら身体を拭き、浴衣を羽織った。
髪を乾かして化粧水や乳液で肌を整え、女湯を出る。
休憩室を覗いたけど、
「…あれ、」
蒼汰はまだ来てないらしく。
自動販売機で水を買い、飲みながら待つ事にした。
半分まで飲み、ふと男湯の方を見つめる。
…もしかして先部屋戻ってるとか?
蒼汰、カードキー持ってたっけ。
今LINEしても見ないだろうしなぁ…
とりあえず蒼汰の分のお茶を買い、座ってスマホをいじってる事にした。
すると。
「1人?」
隣に座ってきた若い男の人に心の中でため息。
…何よ。
無視しとこ。
ずっと喋ってるけど、ぶっちゃけほとんど聞こえてない。
だって、大樹さんと蒼汰の2ショットとか、美咲さんの写真見てるんだもん!
飲みに行った時に、酔った勢いで撮ったらしい大樹さんと蒼汰の2ショット。
ちなみにあたしの今の待ち受け。
この旅行で4人の写真撮れないかなって思ってる。
ニヤけそうな頬を引き締めてると、突然、
「ねー!聞いてんの」
「っ」
肩を掴んで向かい合わされ、驚いて目を見開く。
「1人なんでしょ?俺と飲まない?」
…何この男。
しつこい。
「…彼氏待ってるんで」
「でもずっと待ってない?」