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逢瀬は月見橋で
第2章 あたしとユタカ

「10年近く・・結ばれない恋にしがみついてたのよ・・バカでしょう?
30になって、この先どうすんのって、真剣に考えるようになってやっと・・
会社を辞めたの。
結局ね、離婚しなかったのよ、カレ・・
完全にだまされた・・ううん、だまされたあたしがバカだったんだ・・・」
「そうだったの・・辛い想いしてたんだね。
でももう大丈夫だよ」
「え?大丈夫って?」
「オレが咲穂ちゃんを幸せにするから」
スツールから立ち上がるとユタカは、
カウンター越しにあたしを抱き寄せてキスをした。
ちゃんと独身の男が・・
あたしを幸せにしてくれるって・・
正面から見つめてきて・・
あたしの心は進む方向を見つけた。
この人に託そうって。幸せにしてもらおうって・・
結婚してくれ、と出会って間もないプロポーズを
あたしは考えることなく受け入れた。

