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逢瀬は月見橋で
第3章 逢瀬・・

草の上に腰を下ろして、
あたしと男はきれいな星空を見上げた。
「そうそう、あんたの作戦は大成功だったよ」
先週のあの勝利の報告を、急に思いだしてあたしは話し出した。
「あんたの言った通りだった。
すっぽんぽんの下半身は効果絶大!もう二度としないって
旦那、泣いて謝ったわ。
あんたにお礼言わなきゃね、ありがとね」
男は空を見上げたまま、よかったねってつぶやいた。
その横顔、穏やかで柔らかくて、
どうしてそんな顔してるのか、不思議に思えた。
「ねぇ・・あんたいったい何者なの?
どうして他人事にそんな優しい顔するのよ?」
問いかけると男は、鼻で息をしてからあたしのほうへ顔を向けた。
「人助けがオレの使命だから」
「え?人助け?人助けって、どういうこと?」
じっと顔を見る。
答えが返ってくるまでの間、
川のせせらぎだけが耳を通り過ぎていった。
男は、もう一度星空を見上げた。

