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逢瀬は月見橋で
第4章 男の正体は・・

「ここ、住まいとしても使ってるんだ。
 看護師は通いだから診療が終わるとオレ一人。
 前みたいに通勤しないから楽でいいよ。
 そのかわり、時間を持て余しちゃうけどね」


男の後をついていく。
廊下を挟んで診察室と受付の部屋。

その奥に扉があって、そこから先が彼の住まいだという。


扉をあけるとまだ廊下が続いていた。


「こっちがキッチン。
 ここは看護師も使えるように受付の部屋から出入りできるようになってんだ。
 で、こっちがオレのプライベートルーム」


右側のキッチンをちらりとのぞくと、
鍋だの炊飯器だの、ちゃんと生活感が見えた。

その向かい側、ドアを開けるとわりと広い部屋の真ん中に
ベッドがドンと置いてある。
あとは一人掛けのソファに小さめのテレビ。
さっぱりとした部屋だった。






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