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逢瀬は月見橋で
第4章 男の正体は・・
「ところで咲穂ちゃんはここの生まれなの?」
切り替えられた話題に、あたしは横になったまま頭を左右に振った。
違う、と。
「出身はね、隣り町。駅でいうとひとつ先。
ここよりももっと田舎!だから仕事なんてありゃしないからこっちに来たのよ」
OLを辞めてしばらくしてから実家に帰ってきたものの、
仕事もないし両親と暮らすのもなんだか気疲れするし、だけど
もう都会はたくさんだ。
それで隣の賑やかな田舎町に住むことにしたのだ。
「そうなんだ、じゃあ一応オレとおんなじよそ者ってことか。
仲間がいてよかったよ」
あたしの頭をポンポンと叩いてから正次郎は、
ベッドから起き上がり、キッチンへ行くとビールでいい?と声を張り上げた。
あたしも負けじとうん!と返事を張り上げる。
そのすぐ後に缶ビールを手にした正次郎が戻ってきた。
小さなテーブルに2本の缶ビールを置いてから、
床に散らばっていたトランクスとパジャマみたいなダボダボのパンツを穿いてから
床の上に胡坐をかいた。
あたしもベッドから這い出て、
下着も服も着終えてから彼のとなりに足を投げ出すようにして座った。