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逢瀬は月見橋で
第1章 月見橋で・・
きっとその時のあたしの顔・・
素っ頓狂な顔してただろうな。
目を見開き口まで大きくあけて。
そんなあたしを、男は優しい目で見つめてきた。
月明かりに揺れる眼差しが、しだいにあたしに暗示をかけた。
そう、そうよ、やっちゃおうよって・・
「キミはさ、旦那に浮気されて自分も仕返しに浮気って、してないの?」
してない。
そう、してないのだ。
目には目をってやつであたしも浮気してやろうって、
思えればどんなに気が楽か。
だけど・・したことない・・
惚れた弱み、なのかもしれない・・・
「やり返せば少しはスッキリするんじゃないの?
キミが自分から離れないって、旦那さんは自惚れてんじゃないの?
だからさ、ここいらで一発仕返ししておけば
ちょっとはおとなしくなるんじゃないのかなぁ、旦那さん」