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運命という名の恋
第6章 い
「由紀。おいで。温めてあげる」

そう言って、俺は座っている足の間に由紀を座らせて
後ろからすっぽり抱きしめた。

「24で初めてなのは何も変なことじゃないし、嬉しかったよ」
「・・・・」

「村松さんは、俺のカンだけど・・・
村松さんの彼氏のコンクールに一緒に行っただけ」
「コンクール、ですか?」
「うん。俺昔クラシックやってたんだ。それで村松さんに教えてあげる事があって。
詳しくはまた今度話すよ」
「そうなんですか」

身を乗り出して後ろから由紀の足先を包み込む。

「俺たちはお互いに何も知らない。
だから。これから、俺の事を知ってほしいし
俺も由紀の全てが知りたいよ」

「・・・・」

「愛してるんだ」

「私は、柳下さんの運命の人になれますか?」

振り向いて俺の目をじっと見つめる由紀がいた。

その顔が可愛くて。
もう返事なんかどうでも良いからキスをしたくなった。

「由紀は運命の人って、どんなイメージ?」
「運命の人、ですか」
「うん」

そこで後ろから由紀の首筋にキスをした。

「会った途端に、お互いが『この人だ』って分かるとか」
「ああ、俺もそれ、思った」

「ものすごい奇跡が重なって好きになるとか」
「うんうん」

足先から手を外してゆっくりと抱きしめた。

「何回も偶然が重なって出会う、とかですかね」
「うん。俺もそう思ってたんだ」

「でも、違う事に気が付いた」
「?」
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