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公衆便所から始まる
第5章 カウンター
「……っ!」

なんとか声を出すのは我慢できたけど。
俺の爪と向き合ってる香川さんには異変を気づかれずに済んだけど。

どーすればいいんだこれ!?
えっと、有紀人さんにはグラスを洗えって言われたよな?
でもどー考えても片手で洗うのは危険すぎる。
でもって香川さんの爪切りは三本目の指に入ったばかり……

「ね、輝ちゃんさ、ゆっきーとどこで知り合ったの?」

何の気なしに、香川さんが尋ねてくる。
と、ただ単調に出し入れしてた有紀人さんが、俺のチンコの先っぽを強く擦るようにしながら深いとこまでくわえ込んだ。そのまま喉奥で締め付けてくる。
ヌ゛ルンッ!

「やっ、あのっ!」
「うん?」

首を傾げる香川さんと目が合うが、言葉が出ない。
その間も有紀人さんはめちゃくちゃに俺のチンコを舐め回す。れろれろと、舌を回転させるようにして。

「えーあの……帰る途中の公園でたまたま」

うん、嘘じゃないどころか掛け値なしの事実だ。少し省略しただけで。

「うん、公園で?」
「え?」
「なにしたの?」

うへぇ、この人なにを聞きたいのか、当たり付けてんのか、わかりゃしない。
いやでも普通なら『なにしたの?』とは聞かないか。『どうして公園で会って仲良くなるの?』が正しいよな。

そーいや香川さんは有紀人さんのことどんだけ知ってるんだろ?
意図が読めないときは質問返し、いってみるか。
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