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ひずみ «短篇作品集»
第7章 未完成体


その刹那、


キミは 目を見開き、悲鳴をあげ その瞳の目尻から 涙と言う名の 分泌液を流す。


その表情に、ボクは 興奮する。



『なぜ…』



キミが 力なく、囁く。

ボクは キミに 優しく微笑みながら、囁きには 返答せず、行為を 続行させる。

キミの瞳から止めどなく溢れる 分泌液を口で 受け止める。

キミは うわ言のように


『なぜ…』


を繰り返す。

ボクは、一切無言を貫く。




そのまま、キミが その意識を 手放すまで。




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