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月の吐息
第3章 雲隠れ

青いカクテルで呪いの浄化をすると、顔を上げた。
「あの、バーテンさん」
「はい?」
「前に言ってた、7月2日が誕生日の・・・例のカップル、どうなりました?」
「ああ」
グラスを拭いていた手を止めて、こちらを見ると、眉をハの字にして微笑む。
「残念ながら、破局を迎えてしまったみたいです」
フロア中央で、ピアノの演奏が始まってる。
会話が聞こえやすいようにと、イケメンがこちらに上体を倒した。
「彼女が、他に気になる人が出来てしまったみたいですよ?」
「え・・・」
「友人としては長い付き合いだったらしくて、男性の落ち込み方が相当でした」
「うわー・・・」
なんだ。そっちも破局か。
悲しい話に、しょんぼりすると、目の前にナッツの乗った小さな皿が置かれた。
「?」
「入店3回目の記念に。内緒です」
「・・・・・・あ、はい」
イケメンって、やることもカッコイイ。
御礼を言おうとしたら、店内に、ブツッという電子音が響いた。
ピアニストの女性が、マイクを持ってる。

