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講義の終わりにロマンスを
第4章 決戦の金曜日
少しして泣き止んだ彼女に、小鳥遊はホッと息を吐いた。
彼女の泣き顔を見るのは2回目だが、とめどなく溢れる涙は心臓に悪いと心底思った。
「座る?」
尋ねる小鳥遊に、真菜は小さく首を振る。
「そっか」
困ったように笑って、今度こそ、小鳥遊は真菜の頭を優しく撫でた。
「真菜ちゃん、こないだも、急に泣いちゃったから、何があったか心配だったんだよね」
「・・・・・・」
その言葉に、真菜が酷く悲しげな顔をする。
「俺が、・・・何かしちゃったかな?」
小鳥遊は自分の職場である、このBARに誇りを持っている。
この空間のせいで真菜が泣きだしたとは考えにくい。
あの時、未成年か判断つきかねた彼女を、お客様としてカウンターに誘導したのは自分だ。
カウンターの中の2人のベテランが、彼女への接客で対応ミスをするとは考えられなかった。
(だとしたら、やっぱり)
「俺、だったのかな。真菜ちゃんを、泣かせちゃったのは」
優しい問いかけに、真菜が言い難そうに俯く。
小鳥遊は直立不動のまま、無言の彼女を、辛抱強く待った。
やがて、真菜が小さく口を開いた。
「先生は…、私に、嘘をついてたの?」
彼女の泣き顔を見るのは2回目だが、とめどなく溢れる涙は心臓に悪いと心底思った。
「座る?」
尋ねる小鳥遊に、真菜は小さく首を振る。
「そっか」
困ったように笑って、今度こそ、小鳥遊は真菜の頭を優しく撫でた。
「真菜ちゃん、こないだも、急に泣いちゃったから、何があったか心配だったんだよね」
「・・・・・・」
その言葉に、真菜が酷く悲しげな顔をする。
「俺が、・・・何かしちゃったかな?」
小鳥遊は自分の職場である、このBARに誇りを持っている。
この空間のせいで真菜が泣きだしたとは考えにくい。
あの時、未成年か判断つきかねた彼女を、お客様としてカウンターに誘導したのは自分だ。
カウンターの中の2人のベテランが、彼女への接客で対応ミスをするとは考えられなかった。
(だとしたら、やっぱり)
「俺、だったのかな。真菜ちゃんを、泣かせちゃったのは」
優しい問いかけに、真菜が言い難そうに俯く。
小鳥遊は直立不動のまま、無言の彼女を、辛抱強く待った。
やがて、真菜が小さく口を開いた。
「先生は…、私に、嘘をついてたの?」