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まのめのロイン
第2章 答
吸血鬼のような、幽鬼のような、薄い生気ある死者。
すらりと通った鼻筋や、酷薄そうな唇。
それらのパーツは耽美で背徳的な雰囲気すらある。
だが、召喚者――この言い方には問題があると思う。
基本的に奴を呼び出してしまうのは不慮の事故だからだ。
その気がないのに現れてしまうのだから。
だが、わかりやすく説明するために敢えて召喚者と言わせてもらう――がロインから受ける恐怖の本質は別の所にある。
恐ろしいのは、奴の哀しみなのだ。
つまり、それはあの「表情」なのだ。
どうしたらあんな顔ができるのか。