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まのめのロイン
第4章 扉

 西洋風の扉だ。両開きのやつだ。
 ドアノブはない。

 押して開けるのかな……。

 力を込めてみる。


「開かない……」

「イッヒッヒ! その扉は一人では開きません」

「そう、二人でないとね!」

「お嬢様、二人で開けるのです。その中にある物も同じです。決して一人で開けてはなりませぬ」

「中にある物って?」

「書だよ! 書!  催眠の書さ」

「危険な書物でございます。夢、油断なされぬよう」

「ゲッヒッヒ……決して一人で読んではいけねぇ……忘れちゃいけねぇルールでさ」
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