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蜜刻に揺れて
第11章 at this late hour、too late
ランチに立ってもモヤモヤしたままで、時計を見れば既に午後3時を回っていた。
まだ眠りについているだろう。
6200マイル彼方の今を知る事など出来ない。
一人で…眠っているだろうか。
美和子の言葉が耳について離れない。
指先一つで何処までだって追求していけるけれど、それをしたら知らなかった頃には戻れない。
もうこんなに竜に侵されてしまった、今更。
声が聞きたい。
まだ1日も経っていないのに。
竜の言葉に二言は無かった。
思っていたよりずっと深く刻み込まれてしまったのだ。
「静、ミーティング」
航平に呼ばれて席を立つ。
揃えた資料を小脇に抱えてミーティングルームへと急いだ。
「この前のポスター撮りの手応えが良くてな、早速別件で幾つか仕事が入った、それについてー…」
健作のそれは両手を挙げて喜ぶべき内容なのに、静の胸に広がった陰を振り払うほどの力は無かった。
ミーティングが終わると静は航平に引き摺られるように近くの居酒屋に雪崩れ込んでいた。
生中とたこわさ、枝豆が並ぶと航平はじっと静が口を開くのを待った。
「航平、目が恐い」
「何に落ち込んでるんだよ?」
「別に…何も…」
「この前の打ち上げの後、何かあったんだろ?」
まだ眠りについているだろう。
6200マイル彼方の今を知る事など出来ない。
一人で…眠っているだろうか。
美和子の言葉が耳について離れない。
指先一つで何処までだって追求していけるけれど、それをしたら知らなかった頃には戻れない。
もうこんなに竜に侵されてしまった、今更。
声が聞きたい。
まだ1日も経っていないのに。
竜の言葉に二言は無かった。
思っていたよりずっと深く刻み込まれてしまったのだ。
「静、ミーティング」
航平に呼ばれて席を立つ。
揃えた資料を小脇に抱えてミーティングルームへと急いだ。
「この前のポスター撮りの手応えが良くてな、早速別件で幾つか仕事が入った、それについてー…」
健作のそれは両手を挙げて喜ぶべき内容なのに、静の胸に広がった陰を振り払うほどの力は無かった。
ミーティングが終わると静は航平に引き摺られるように近くの居酒屋に雪崩れ込んでいた。
生中とたこわさ、枝豆が並ぶと航平はじっと静が口を開くのを待った。
「航平、目が恐い」
「何に落ち込んでるんだよ?」
「別に…何も…」
「この前の打ち上げの後、何かあったんだろ?」