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蜜刻に揺れて
第11章 at this late hour、too late
「自業自得、なんだろ?」

「ま、そーゆー事だね」

窓の外は靄がかかり、視界は悪い。

「…帰りたい…」

膝を抱えてポツリと呟くと浩一郎が派手に笑った。

「やべー竜のしょんぼり顔、ウケるー!」

「浩一郎、茶化すな!」

啓介が竜の頭をぐしゃぐしゃに撫でて撮影のスタジオへと促した。

撮影とレコーディング、併走する日々。

撥春も同じだけ離れているのに、メールを待つ気配すらない。

「撥春、あいりからメールないの?」

「時差もあるし、仕事してるからな」

「余裕だな」

「そうでもない、結構不安」

意外な答えに竜はマジマジと見つめる。

「竜は?メールしないのか?」

「メールすると声が聴きたくなる、声を聴くと逢いたくなる」

「俺もそう、だからしない」

二人は顔を見合わせて笑う。

「伊坂!秋月!衣装合わせー!」

博嗣に呼ばれて鏡の前に立つ。

ジャケットと小物を合わせていくと、指輪に目が止まる。

人差し指に二つ重ねた指輪。

「どうかしたか?」

「これ、買いたい」

「いいけど?」

竜は指輪を眺めて、静を思い出していた。

こんな物を贈るなんで、自分が自分じゃないみたいだと嘲笑ってしまう。

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