パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 at this late hour、too late

束縛なんて大嫌いだった。

自由を捥がれたみたいで、鬱陶しいだけだった。

でも今は。

少しでも共有したい。

傍に居ても、離れていても。

繋がっているという僅かな何かが欲しい。

それをこんな小さな指輪に込めてしまうくらい。

これは所有物だという証。

刻み込んでは薄れていく形のない想いのそれとは違う。

陽に焼けて跡が残る位まで、ずっとずっと…傍に。





週が明けた水曜日には帰国の目処がつき、その夜には飛行機に飛び乗っていた。

が、早い帰国は条件付きだった。

早く帰る代わりにソロでインタビューの仕事をこなす事。

竜は帰国したその足でホテルに出向き、インタビューと撮影をこなした。

ここぞとばかりにスケジュールを詰め込まれ、半径何キロ以内に居るという静に帰国を知らせる事もなく時間だけが過ぎた。

やっと連絡を入れたのが金曜日の午後。

”家で待ってる''

たった一言。

それでも静を笑顔にするには十分すぎるものだった。

金曜日の夜。

もしかしたら週末は一緒にいられるかもしれない。

もしかしなくても明日の朝までは一緒にいられるはずだ。

仕事を片付ける速さが途端に速くなったのは誰の目にも明らかだった。