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蜜刻に揺れて
第2章 Whimsical star
秋風が混じったカラッとした夜風が頬に気持ちいいという事は、自身でも気付かないうちに酔っていたらしい。
駅前は金曜日の夜という事もあって、駅前のあちらこちらで仲間らしき輪が出来あがっていた。
静は柱に凭れ掛かりながら、駅前の大きなスクリーンに流れるMVや、CMをぼーっと見つめていた。
「きゃー!9second新曲だって!!」
「先週ツアーが終わったばかりなのに、嬉しすぎるっ!」
側にいた大学生くらいの女の子二人がスクリーンを見つめて矯声を上げていた。
静はキメ顔を画面いっぱいに広げている彼らの名前が一人も出てこない事に自嘲していた。
「やっぱ撥春だよね〜!あの眼はヤバい〜!」
「えー?9は竜でしょ!あの声にメロメロだよ〜!」
「この前のツィで撥春と将人の2ショット、腰砕けるよ!」
聞き耳を立てた訳では無いけれど、耳に入ってくる二人のメロメロぶりにふっと笑ってしまう。
見上げるスクリーンにはさっきより長めのMV。
耳にした名前も、相変わらず顔と一致せず、ただただ眺めてしまう。
に、しても。
腕時計を見ると15分経過していた。
すぐ来るとは言ってなかったが、会いたい気分は若干恐れを含み、このまま帰ってしまおうかと尻込みし始めていた。
駅前は金曜日の夜という事もあって、駅前のあちらこちらで仲間らしき輪が出来あがっていた。
静は柱に凭れ掛かりながら、駅前の大きなスクリーンに流れるMVや、CMをぼーっと見つめていた。
「きゃー!9second新曲だって!!」
「先週ツアーが終わったばかりなのに、嬉しすぎるっ!」
側にいた大学生くらいの女の子二人がスクリーンを見つめて矯声を上げていた。
静はキメ顔を画面いっぱいに広げている彼らの名前が一人も出てこない事に自嘲していた。
「やっぱ撥春だよね〜!あの眼はヤバい〜!」
「えー?9は竜でしょ!あの声にメロメロだよ〜!」
「この前のツィで撥春と将人の2ショット、腰砕けるよ!」
聞き耳を立てた訳では無いけれど、耳に入ってくる二人のメロメロぶりにふっと笑ってしまう。
見上げるスクリーンにはさっきより長めのMV。
耳にした名前も、相変わらず顔と一致せず、ただただ眺めてしまう。
に、しても。
腕時計を見ると15分経過していた。
すぐ来るとは言ってなかったが、会いたい気分は若干恐れを含み、このまま帰ってしまおうかと尻込みし始めていた。