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蜜刻に揺れて
第5章 Fearlessmile
ベッドに横たわって右肘を立て、頬杖をついた竜の肩から布団がずり落ちる。
しなやかな筋肉のついた胸板が露わになると、静はどうしてもそこを視界に留めてしまう。
「ハナコ、盗み見るなんて行儀悪くね?」
「きゃーっ!もっ、いっ、いいからっ!ごめんっ!私仕事行くから!」
スマホを拾うと鞄をひったくってパンプスを引っ掛け、駅まで一目散に駆け出して行った。
会社近くのカフェでサンドイッチとコーヒーをテイクアウトし、メールをチェックしながら、がらんとしたオフィスでやっと一息つく。
取引先からの連絡や、社内メール、総務からの人事異動など事務的に開いては振り分けていく。
ふっと手を止めて思い出すのは竜の横たわった姿、くしゃくしゃの髪や、少し乾いて掠れた声に、大きな掌の温もり、影を造る筋肉のカタチ。
「…っ…!ぁあー、もうっ…!」
「何悶絶してんだ?」
航平が覗き込む。
「ぅわっ!な、んでもないっ!」
「ニヤニヤして、気持ち悪りぃな、なぁ?植田さん」
「え?あ、そんな、事はー…」
言葉を濁す美和子は明らかに笑いを堪えていた。
「植田さん、違うからっ!」
「何が違うんだよ?」
航平にからかわれながら、朝のミーティングが始まった。
しなやかな筋肉のついた胸板が露わになると、静はどうしてもそこを視界に留めてしまう。
「ハナコ、盗み見るなんて行儀悪くね?」
「きゃーっ!もっ、いっ、いいからっ!ごめんっ!私仕事行くから!」
スマホを拾うと鞄をひったくってパンプスを引っ掛け、駅まで一目散に駆け出して行った。
会社近くのカフェでサンドイッチとコーヒーをテイクアウトし、メールをチェックしながら、がらんとしたオフィスでやっと一息つく。
取引先からの連絡や、社内メール、総務からの人事異動など事務的に開いては振り分けていく。
ふっと手を止めて思い出すのは竜の横たわった姿、くしゃくしゃの髪や、少し乾いて掠れた声に、大きな掌の温もり、影を造る筋肉のカタチ。
「…っ…!ぁあー、もうっ…!」
「何悶絶してんだ?」
航平が覗き込む。
「ぅわっ!な、んでもないっ!」
「ニヤニヤして、気持ち悪りぃな、なぁ?植田さん」
「え?あ、そんな、事はー…」
言葉を濁す美和子は明らかに笑いを堪えていた。
「植田さん、違うからっ!」
「何が違うんだよ?」
航平にからかわれながら、朝のミーティングが始まった。