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蜜刻に揺れて
第5章 Fearlessmile
モニターの隅っこに表示されているアナログ時計はとっくに定時を過ぎていた。
「静、飲みに行こうぜ!話し聞いてやるよ」
「話すことなんかないからっ!」
一日中散々揶揄われていた静は語尾を強めた。
美和子は口を開く度に彼氏さんですか?しか繰り返さなかった。
既成事実にされそうで、ひたすら否定し続けたが、最後まで美和子は納得しなかった。
「帰る!!」
しかめっ面を航平に向けると、金曜の夜にしては早めの電車に乗った。
最寄りのコンビニでチューハイとつまみを見繕うと、玄関に向き合い鍵を探った。
「あれ…?え…?」
荷物をひっくり返しても見当たらない家の鍵に、静は努めて冷静に記憶を巻き戻す。
家を出るとき鍵を掛けて…ない。
頭を抱えながら蹲った拍子にドアノブに触れた。
ドアは呆気なく開いた。
まさかと部屋に飛び込めば、そこには誰も居なくて、鍵は何時ものチェストの上にあった。
大きく肩で息を吐き、脱力したまま缶のプルトップを開けた。
「鍵くらい閉めてってよね…ポストに入れといてくれればいーのに…」
「無用心だな、ハナコ」
「ぎゃーっ!」
独り言に返事があれば、色気もへったくれもない声が上がった。
「静、飲みに行こうぜ!話し聞いてやるよ」
「話すことなんかないからっ!」
一日中散々揶揄われていた静は語尾を強めた。
美和子は口を開く度に彼氏さんですか?しか繰り返さなかった。
既成事実にされそうで、ひたすら否定し続けたが、最後まで美和子は納得しなかった。
「帰る!!」
しかめっ面を航平に向けると、金曜の夜にしては早めの電車に乗った。
最寄りのコンビニでチューハイとつまみを見繕うと、玄関に向き合い鍵を探った。
「あれ…?え…?」
荷物をひっくり返しても見当たらない家の鍵に、静は努めて冷静に記憶を巻き戻す。
家を出るとき鍵を掛けて…ない。
頭を抱えながら蹲った拍子にドアノブに触れた。
ドアは呆気なく開いた。
まさかと部屋に飛び込めば、そこには誰も居なくて、鍵は何時ものチェストの上にあった。
大きく肩で息を吐き、脱力したまま缶のプルトップを開けた。
「鍵くらい閉めてってよね…ポストに入れといてくれればいーのに…」
「無用心だな、ハナコ」
「ぎゃーっ!」
独り言に返事があれば、色気もへったくれもない声が上がった。