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蜜刻に揺れて
第5章 Fearlessmile
口をパクパクさせて言葉の紡げない静に、竜はさっさと隣に座って震えている静のスマホを突き出した。
「金魚だな、で、鳴ってるぞ?」
静はその手からスマホを引っ手繰ると竜に背を向けて応答した。
「もしもし?」
『俺、この前の広告会社のプレゼン、通ったぞ!』
「ほ、んとっ?!」
電話の向こうでは航平の声も上擦っていた。
二人して企画したそれは大手の広告会社用のプレゼン。
初めての大きな仕事となる。
「うんうん、絶対成功させようね!うん、終わったら打ち上げだね!」
興奮冷めやらぬ静は電話を終えると、大きく息を吸い、吐き出した。
努力が実を結んだ実感にまだむねの高まりは収まりそうにない。
「っ!!な、んでいるのっ?!」
振り返るとちゃっかり座って、静の飲みかけの缶チューハイを傾けている竜がいた。
「電話、誰?」
「会社の人…あのね!プレゼンが通ったの!!来週打ち合わせで、再来週には撮影なんだって!凄いでしょ?頑張っ…」
あまりの嬉しさに捲し立ててしまった自分にふと我に返る。
竜はつまみにも手を伸ばしながら、静の報告に聞き入っていた。
「よく頑張りました」
戸惑っている静の頭をポンポンと撫でた竜の笑顔は今までに見た事がない程優しく柔らかなものだった。
「金魚だな、で、鳴ってるぞ?」
静はその手からスマホを引っ手繰ると竜に背を向けて応答した。
「もしもし?」
『俺、この前の広告会社のプレゼン、通ったぞ!』
「ほ、んとっ?!」
電話の向こうでは航平の声も上擦っていた。
二人して企画したそれは大手の広告会社用のプレゼン。
初めての大きな仕事となる。
「うんうん、絶対成功させようね!うん、終わったら打ち上げだね!」
興奮冷めやらぬ静は電話を終えると、大きく息を吸い、吐き出した。
努力が実を結んだ実感にまだむねの高まりは収まりそうにない。
「っ!!な、んでいるのっ?!」
振り返るとちゃっかり座って、静の飲みかけの缶チューハイを傾けている竜がいた。
「電話、誰?」
「会社の人…あのね!プレゼンが通ったの!!来週打ち合わせで、再来週には撮影なんだって!凄いでしょ?頑張っ…」
あまりの嬉しさに捲し立ててしまった自分にふと我に返る。
竜はつまみにも手を伸ばしながら、静の報告に聞き入っていた。
「よく頑張りました」
戸惑っている静の頭をポンポンと撫でた竜の笑顔は今までに見た事がない程優しく柔らかなものだった。