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蜜刻に揺れて
第5章 Fearlessmile
優しくされるのは擽ったい。

褒められた嬉しさは素直に口をついてはくれなくて。

「…何でいるの?」

「あー、これ受け取りに行ってただけ、俺今日完オフなんだわ」

静の目の前にぶら下がったのは見覚えのある鍵。

「ちょっと!何勝手に合鍵作ってんのよっ!?」

奪い返そうとした右手は空を切る。

「ハナコのも作ってやったんだから、感謝しろよ」

そう言ってもう一つ鍵が目の前にぶら下がる。

静の安アパートのものよりずっと複雑な溝の彫られた鍵。

「…何処の?」

「俺んちの」

「アホなの?」

「いらねーの?」

「私がそれを転売するとか考えないの?」

「あー…幾らくらいになるんだろーな?」

竜は鍵を見つめて屈託のない顔で笑う。

本当に何も考えていないのか、考えて揶揄っているなら相当の詐欺師だ。

「…いらないし、合鍵は返して」

関わりたくないのに。

竜の表情に浮かぶ余裕が苛々する。

静の手に落ちて来たのはディンプルキーの方だった。

「タロー!こっちじゃないってば!」

「やだ」

そっぽを向いた竜は缶チューハイを飲み干した。

「ハナコは俺がキライなの?」

竜は次の缶を開けて口をつけながら、視線だけ静に向けた。
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