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蜜刻に揺れて
第5章 Fearlessmile
湯水のようにチューハイを飲み干していく竜の問いかけに、静は答えない。
答えられない。
キライじゃないなら好き何て子供じゃあるまいし。
じゃあ、竜は?
自分を好きなのだろうか。
尋ねたら何と答えてくれるのだろう。
もし。
もしも、好きだと言ってくれたとして信じられるだろうか。
この人を。
9secondの秋月 竜という看板を引き剥がして、一人の男としても。
「ハナコ、考えすぎ」
デコピンされた額を摩ると、立ち上がった竜を見上げた。
「酒、足りないから買いに行くぞ」
「タローが?」
「お前も行くんだよ!土地勘ねーし」
夜道を二人並んで歩く。
半歩前を歩く竜と繋ぐ手は暖かい。
何を望んでいるのか。
コンビニに着くと書籍コーナーで9secondの特集が組まれた雑誌を手に取り、籠に入れた。
竜は呆れながら籠いっぱいをお酒で埋めた。
竜の右手に下がった袋はガサガサと音を立て、いつ破れるかというくらい重みに伸びていた。
「仕事、なんのだっけ?」
「紳士服」
「あー…」
関心があるのか無いのか気の無い返事に、静は小さくため息をつく。
摑みどころがない。
何を考えているのかわからない。
答えられない。
キライじゃないなら好き何て子供じゃあるまいし。
じゃあ、竜は?
自分を好きなのだろうか。
尋ねたら何と答えてくれるのだろう。
もし。
もしも、好きだと言ってくれたとして信じられるだろうか。
この人を。
9secondの秋月 竜という看板を引き剥がして、一人の男としても。
「ハナコ、考えすぎ」
デコピンされた額を摩ると、立ち上がった竜を見上げた。
「酒、足りないから買いに行くぞ」
「タローが?」
「お前も行くんだよ!土地勘ねーし」
夜道を二人並んで歩く。
半歩前を歩く竜と繋ぐ手は暖かい。
何を望んでいるのか。
コンビニに着くと書籍コーナーで9secondの特集が組まれた雑誌を手に取り、籠に入れた。
竜は呆れながら籠いっぱいをお酒で埋めた。
竜の右手に下がった袋はガサガサと音を立て、いつ破れるかというくらい重みに伸びていた。
「仕事、なんのだっけ?」
「紳士服」
「あー…」
関心があるのか無いのか気の無い返事に、静は小さくため息をつく。
摑みどころがない。
何を考えているのかわからない。