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蜜刻に揺れて
第6章 Ambiguous Peony
指でイかせた後、散々後ろから屹立で攻め立てた。

窓ガラスにへばりつく様に崩れ落ちた静。

呼吸を整えながら背後から抱き締めた。

「タロー…どうして私なの…?」

その表情は覗き込めずわからない。

ただ声が酷く沈んでいた。

さっきまであんなに激しく求め合ったのが嘘の様に。

「はぁ?目の前にいるから」

「…顔見ずにするのは…他に…いるからじゃないの…?」

「見てるよ?静の…「…いいから」

言葉を遮られて、静はのそのそとベッドに潜り込んだ。

「ハナコ?寝た?」

「寝た…」

小さく丸まった背中が竜を拒絶していた。

狭いシングルベッドの中で隙間に竜も身体を滑り込ませた。

「ハナコ?」

規則正しい寝息に竜は言葉の真意を確かめられないまま眠り込んだ。

朝が来て、仕事の時間が来ても静は背を向けたまま、寝ているのか起きているのかさえわからなかった。

「ハナコ、俺行くから」

もちろん返事はない。

「…ハナコとするの、すげぇ気持ちイイから」

ピクリとも動かないベッドの上を見つめて、竜は時計を気にした。

「連絡して来いよ!」

語尾を少し強めて念押しの様に言い残すと竜は出て行った。
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